アパートの鍵貸します
The Apartment
あらすじ
保険会社に勤めるバクスターは、出世のため上司たちに自分のアパートを貸している。職場で気になるフランと近づく一方、その部屋をめぐる事情が二人の関係にも影を落とす。都会の孤独と会社社会の理不尽さを、ユーモアと哀感で描いたビリー・ワイルダー監督作。
こんな人におすすめ
大笑いよりも、会話と人物のやり取りがずっと楽しい白黒コメディを探している日におすすめです。不倫や自傷行為を含むため完全に明るい話ではありませんが、比較的気軽に見やすい一本です。
再生太郎の感想
『アパートの鍵貸します』は、設定だけを聞くと、正直に言えば馬鹿みたいな話です。会社で出世するため、上司たちの密会場所として自分のアパートを貸す。その少し馬鹿らしい状況が、物語の中でずっと続きます。
しかし、その馬鹿らしさがまったく退屈ではありません。次々と起こる出来事を自然に追い続けられ、どの場面を見ても興味が途切れません。設定だけで笑わせて終わるのではなく、登場人物のやり取りと物語の流れそのものが面白いです。
コメディではありますが、ゲラゲラ笑い続ける種類の作品ではありません。大きな笑いを何度も作るというより、画面に流れる時間をずっと楽しく見ていられる、どこを切り取っても面白いという感覚があります。
内容には不倫やつらい場面も含み、完全に明るい話だけではありません。それでも物語には軽やかさがあり、身構えず気軽に見られました。
大笑いを目的にする映画ではなく、退屈せずに楽しい時間を過ごしたいときに合う作品です。最後まで見て、本当に見て良かったと思いました。文句なしの5点です。
こんな気分・状況に
先に知っておくこと
- 不倫、アルコール、自傷行為の描写。
- 1960年のビリー・ワイルダー監督作。邦題は原題The Apartmentの日本語題。